皆さん、こんにちは。ミニマフローです。
今年は梅雨も短かったですね。
梅雨といえば、アジサイですよね。
みなさんは、6月の6がつく日(6/6・16・26)は「紫陽花/アジサイの日」とご存知でしたか?
梅雨の時期を彩り、国民に愛されるアジサイですが、実は隠された秘密がある魅惑のお花なのです。
今回は元フローリストの私が、アジサイを花瓶に飾る際のコツや、あまり知られていないアジサイの豆知識について、わかりやすく紹介していきます。
この記事を読めば、道端に咲くアジサイを見る目が変わること間違いなしです!ぜひ最後までご覧ください。
アジサイってどんな花?
基本情報
名前 | 紫陽花/アジサイ |
英名・別名 | ・Hydrangea(ハイドレンジア・ハイドランジア) ・七変化(しちへんげ・ななへんげ) |
学名 | Hydrangea macrophylla |
分類 | アジサイ科アジサイ属 |
原産地 | 日本、東アジア |
開花期 | 5~7月 |
花言葉 | ・移り気・浮気 ・家族団欒 ・青いアジサイ「辛抱強い愛情」 ・白いアジサイ「寛容」 ・ピンクのアジサイ「元気な女性」 |
切り花価格帯 | 400~3,000円 |
アジサイは英語でハイドレンジア
2021年の夏、衝撃を受けました。ジャニーズの人気グループSexy Zoneさんがリリースした新曲。そのタイトルが 『夏のハイドレンジア』でした。気になって、PVも拝見しましたが、やはりアジサイがたくさん登場していました。アジサイ目的でPVを見に行った人間が他にいるでしょうか。笑
ハイドレンジアと聞いて、ぱっと「あ、アジサイのことね。」とわかる日本人は、花屋くらいなのでは、と思ったのですが、この曲がきっかけになって、「ハイドレンジア」という単語は市民権を得たのでしょうか。浸透ぶりはいかに。
ちなみに、Hydrangeaという単語の接頭語の”hydr-”は「水」を意味します。梅雨に咲く、水が大好きなアジサイの特性をイメージしやすいですね。
代表的な品種
アジサイには100種類以上とも言われるほど多くの品種がありますが、中でも代表的な品種について、ご紹介します。
- ガクアジサイ
- ホンアジサイ
- 西洋アジサイ
- 秋色アジサイ
- カシワバアジサイ
原種の一つである「ガクアジサイ」は日本原産です。中央部の小さな花の集合体を額縁のように囲むシルエットが特徴です。
そのガクアジサイが品種改良されて作られた園芸種が「ホンアジサイ」です。手まり型のホンアジサイは最も認知度が高く、アジサイと聞いて、一般的にイメージされるのがこちらのホンアジサイです。
また、日本原産のガクアジサイが西洋に渡り、品種改良が重ねられた結果、逆輸入されて広まったのが「西洋アジサイ」です。
また、厳密には品種名ではないのですが、通常のアジサイが立ち枯れした状態(花が咲き終わっても剪定せずにそのままにした状態)で出回るのが、「秋色アジサイ」です。
とは言っても、すべてのアジサイが秋色アジサイになるわけではなく、秋色アジサイ用に改良された品種があります。
初夏に咲いたアジサイが、時間をかけて、緑~紫色・ピンク色のアンティークカラーに変化していく姿はとても美しいです。
また、葉が柏の葉に似ており、手まり型ではなく、ピラミッド型にボリュームのある花を咲かせる「カシワバアジサイ」なども人気です。
土によって咲く花の色が変わる
アジサイの多くは植わっている土壌のpHによって、咲く花の色が変わります。pH(ペーハー)とは、水溶液の性質(酸性・アルカリ性)の程度をあらわす単位のことです。
肥料などによって、土壌pHを調整させれば、花色を変化させることも可能です。
日本の土壌はやや酸性の場所が多いため、庭に植えたピンク色のアジサイが徐々に青色に近づくことがあります。
その場合は、石灰などを与え、アルカリ性に調整することで、ピンク色に戻すことが可能です。
一方、アメリカ原産のアナベルやノリウツギなど、土壌のpHが酸性であってもアルカリ性であっても、色が変化しないアジサイもあります。
いわゆる花だと思っている部分は実は花ではない
ここで衝撃の事実の発表です。
いわゆる花と思われている部分は実は咢(がく)と呼ばれる部分で、花ではないんです。
咢(がく)というのは、バラで言うと、首元のグリーンの部分のことです。↓↓
え!そうだったんですか!?
アジサイの本当の花の部分(真花)は、西洋アジサイの場合、咢の中央の小さな丸いぽっちの部分や、咢をかきわけた中に潜んでいます。
ガクアジサイの場合、中央に密集した部分です。
アジサイを花瓶に生ける際のコツ
アジサイはとにかく水が大好きなお花です。
切り花として、花瓶に飾る際には、とにかく水を吸い上げやすくしてあげる必要があります。
ポイントは白いワタの除去と多めの水
アジサイを長持ちさせるために、花瓶に飾る際に気を付けたいポイントが2つあります。
- 茎をナイフやカッターで斜めに削ぎ、中のワタをほじり出す
- 花瓶の水は多めに入れる
それでは、実際に花瓶に生ける際の手順を順を追って解説していきます。
①飾る花器の高さに合わせて、アジサイの茎の長さをカットします。
②水に浸かる部分の下葉は指で摘んで取ります。
③ナイフやカッターを使って、根元の茎の断面がなるべく広くなるように斜めに削ぎます。すると、中に白いワタが詰まっているのがわかります。
④そのワタが水の吸い上げの邪魔をするので、ナイフやカッターで掻き出して、取り除きます。
茎は水を吸い上げるストローの働きをしているので、そのストローの中に詰まったワタを取り除いてあげるイメージです。
⑤これで完了です!
⑥生ける際の水位は深めにしましょう。
まんまるの手まり型がとっても可愛らしいです。皆さんも挑戦してみてください。
ちなみに、カッターではなく、より本格的なフローリストナイフをお探しの方には、こちらがおすすめ!
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切れ味、最高です!
水が下がって元気がなくなってしまった時の対処方法
お花が水を上手に吸い上げられず、元気がなくなってしまった状態のことを、「水が下がった状態」と言います。
アジサイは水の下がりやすいお花です。
アジサイの水が下がり、元気がなくなってしまった際の対処方法として、2つの方法をご紹介します。
- 新聞紙で首元を支えるようにして包み、新鮮な水に入れ、涼しい場所に置く
- バケツなど深めの容器を用意して、花丸ごと水に浸ける
水が下がってしまった際に、新聞紙をギプスがわりにして、水の吸い上げを助けてあげる方法があります。
詳しくはこちらの記事で、写真付きで説明しておりますので、よろしければ、ご覧ください。
また、アジサイに関しては、少し荒療法的ではあるのですが、「バケツなど深めの容器の中に、花丸ごと浸けてしまう」方法もあります。
私の勤める花屋では、アジサイを枯らさずに一定期間保管する方法として、この方法を取ることがあります。
バケツの中で、アジサイがプカプカと浮いた状態になり、しっかりと水を吸収することで、元気になる場合があります。少しインパクトの強い方法ですが、水の大好きなアジサイならではの方法として、参考にしてみて下さい。
花瓶に入れるだけじゃない、アジサイの素敵な飾り方
先ほど説明した方法で、花瓶に生けるのはもちろん素敵ですが、
咢の部分だけを切り取って、おわん型・皿型の花器に水を張り、水面に浮かべるようにして飾るのもおすすめです!
涼しげでとっても素敵…♡
まとめ
今回は、梅雨の時期に旬を迎えるアジサイについて、特集しました。
皆さんも、身のまわりでアジサイを見かけたら、その品種、色、“本当の花”が咲いているかどうかなど、ぜひ近づいて鑑賞してみてください。
私はこの時期になると、あじさい寺としても有名な鎌倉の明月院(めいげついん)に行きたくなります。雨の中、ひっそりと咲くアジサイの姿は幻想的で、心が落ち着きますよね。
それでは、今回はここまで。ミニマフローでした。
今日も凡事徹底で行きましょう!
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